「予算プランニング+経営アナリティクス」Part.4 ~SPSS+IPA の先進事例~

予算編成の先進事例のご紹介いたします。

1. 計画の精度を上げるには

予算や計画の制度をあげるための先進事例をご紹介させていただきます。
統計的手法によって得られる予測値を予算編成に活用しようというお話です。

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IBMにはSPSS Modelerという統計分析システムがございます。先進事例として、このSPSS Modelerを予算編成に活用していくイメージをお伝えできればと思います。

2. SPSS Modelerのご紹介

概要

 前の章までに予算系システムの概要とIBM Planning Analyticsのご紹介をさせていただきました。管理会計システムの導入によって、予算編成と管理会計の基盤は整えられました。

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 図で示すところの「計画」と「検証」というのが管理会計システムの領域です。
この観点に加えて「予測」までをシステム化し、予算や計画の一連の流れとしてプロセス化させていこうというものです。
 予算策定は、多くの場合、過去実績と経験、勘に基づいて予算だてを行います。
ただ、人事異動や定年退職など、必ずしも十分にノウハウが継承された状態をつくることなく引き継がれてしまったりするケースも発生しえます。また、昨今では様々な要素における外部環境の大きな変化により、需要の判断が困難になってきているというのも事実です。ここで、市況の変化を織り込んだ、統計的観点での「予測」を加えることで、より精度の高い計画を行うことができるようになります。その統計解析ツールのうちで代表的なものがIBMのSPSS Modelerという製品です。

IBM SPSS Modeler

 SPSS Modelerは分析や統計の知識が浅くても、比較的簡単に使えるツールです。
パターン発見や予測、分類といった様々な分析をマウス操作行うことができます。
主な利用目的は ①分析 ②自動化による工数削減 ③属人化した作業の継承 です。

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 分析結果を得るまでの工程がビジュアル化され、マウス操作で分析工程を作成できます。アイコンのようなものをノードと呼びますが、それぞれのノードがデータを連携したり分類や加工をしたりする機能をもっていてあるデータから分析結果を得るまでの工程をExcelのマクロ機能のように記憶させておくことができます。ビジュアル的にはExcelマクロよりは解り易いかと思いますし当然、Excelではできない特殊な手法も保持しております。分析の手法を、システム内で保持しておくことができ、且つ、自動で処理を走らせることができるようになりますので、属人化を防げたり、単純作業に費やす時間を大幅に削減することが可能となります。

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IBM SPSS Modeler サンプルストリーム

 下図はシンプルな例を挙げておりますが、それぞれのノードが、データの加工などの機能をもっていて、ダブルクリックすると詳細の設定ができるようになっております。

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 一番左のノードが、取り込んだ元のデータを意味しています。2つ目のノードでそれぞれの数値情報がが何を意味しているのかを定義してます。3つ目でフィルター処理をかけて、4つ目で分析モデルを作成、一番右がグラフや表を作成する機能です。画面の左反面でデータ加工、右側で分析を行っているイメージです。

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  3. SPSS×IPA

 どのように予算編成や計画にSPSSがどのように活用できるかというイメージです。下記に示しているのは、純粋に過去実績から得られた次年度の需要です。こちらに例にSPSSの予測分析の手法を活用して、時系列実績だけではなく気象情報などのデータをシステムへ投入します。そうすると、様々なイベントや干渉項目の影響を加味した予測値を得ることができるというわけです。

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 この予測値を参考にデータに基づいたより精度の高い計画を立てることが可能となります。

4. SPSS×IPAで計画の精度を向上させる

  企業は収益最大化のために、いかに過剰在庫をコントロールできるか、もしくは機会損失を抑えられるかが鍵となってきます。従来はは担当者の長年の経験と勘から需要量を予測することで意思決定を行ってきました。しかし、このやり方では知見が属人的になってしまい、組織に知見が蓄積されません。
 統計解析手法を取り入れた需要予測を行い、それに基づいた客観的な基準をもとにしたPDCAサイクルを回すことで、より精度の高い計画をたてることができますしさらに属人化から脱却した制度の高い判断プロセスを構築することができるようになります。通常の管理会計指標に加えて、様々な社内データや気象データ・経済指標のデータ・業界データなどのオープンデータを取り込むことでより高度な分析を行うことができるようになります。

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 この手法を取り入れてPDCAサイクルを繰り返すことで徐々に精度の高い予測値を得ることができるようになります。ある製造業のお客様に置いては、季節変動に影響のある製品を製造販売しております、ビールなんですが、SPSSを使って解析したところ、全ての製品が一律に変動しているわけではなく、製品ごとに微妙にことなった購買傾向があることを突き止めることができました。
 今後はより詳細な気象情報や、その他影響を受けているであろうと想定されるデータを追加することによって、より精度の高い予測に繋がっていくかとおもいます。

 

  今回は統計的手法による需要予測と予算策定のポイントの解説のみとさせていただきますが、SPSSモデラーの詳細な解説等は10月6日に予定されている「データ活用戦国時代を生き抜くために ~データを武器に変える~」というタイトルのSPSSのウェブセミナーの方で紹介させていただきますので是非ご視聴いただけますと幸いです。

 

 参照「予算プランニング+経営アナリティクス」

Part.1 予算業務の一般的な課題

Part.2 IBM Planning Analyticsのご紹介

Part.3 ジール導入事例の紹介

Part.4 SPSS+IPA の先進事例